くすりの相互作用でとても重要なCYP代謝ですが、いろんな説明を見ても複雑でわかりにくいものが多いです。正確に説明しようとすると、どうしてもあのような複雑な説明になってしまいます。そこでここでは、かーなーり省略したCYP代謝モデルを説明します。
①CYPはFe3+を持っていますが、ここが薬とくっつきます。
②さらに酸素原子(O)もFe3+にくっつきます。
③すると、近づいた薬とOがくっつき…、
④Fe3+から離れます。
正確にはFe3+が途中でFe2+になったり、他の系から電子をもらったりしていますが、イメージするにはこれで十分だと思います。
ここで重要なのは①の薬とFe3+がくっつく時、Fe3+がプラスなので、薬はマイナスが多いほうがくっつきやすくなります。例えば芳香環のπ電子などです。この芳香環にフッ素(F)などの電子を強烈に引っ張る置換基が結合していると、π電子はそちらのほうへ引き寄せられ、Fe3+とくっつきにくくなると考えられます。したがって、代謝されやすいかそうでないか、CYPを阻害しやすいかそうでないかを区別する一つの目安になりそうです。
このCYP代謝の省略モデルでも、意外と役に立てるのではないでしょうか。でも学生の皆さん、このモデルは省略しすぎてますから、テストの答案では書いちゃダメですよ!